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オリエント世界の風土と人びと

オリエントとはヨーロッパからみた「日ののぼるところ、東方」を意味し、今日「中東」とよばれる地方をさす。この地方は雨が少なく気温が高いために、砂漠・草原・岩山をなす地域が多い。そこでは羊やラクダを飼育する遊牧生活に加えて、沿海や河川流域の平野、あるいは点在するオアシスで、麦・豆類・オリーヴ・ナツメヤシなどを栽培する農業が営まれた。とくにティグリス川・ユーフラテス川、ナイル川など大河の流域では、定期的な定住がすすみ、高い文明が発達した。ティグリス川とユーフラテス川流域の、メソポタミアでは、前3000年ことかわ都市文明が栄えた。この地域にはアラビア半島や周辺の高原からセム語系やインド=ヨーロッパ語族の遊牧民の豊かな富を求めて移住し、複雑な歴史をくりひろげた。ナイル川のめぐみをうける豊かなエジプトは、一時は異民族の侵入があったが、メソポタミアとことなり砂漠と海にかこまれているため、エジプト語系の人びとが長期にわたって高度な文明を営んだ。また両地方を結ぶ交通路にあたっていたシリア・パレスチナ地方では、セム語系の人々が地中海の交易に活躍した。オリエント社会では、大河を利用した治水・灌漑のために、はやくから宗教の権威によって統治する強力な神権政治がおこなわれ、神としての王の権力や信仰の生活のありさまを表現する独自の文化が生みだされた。

(詳説世界史より抜粋)

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