第1章 オリエントと地中海世界

オリエント世界の風土と人びと

オリエントとはヨーロッパからみた「日ののぼるところ、東方」を意味し、今日「中東」とよばれる地方をさす。この地方は雨が少なく気温が高いために、砂漠・草原・岩山をなす地域が多い。そこでは羊やラクダを飼育する遊牧生活に加えて、沿海や河川流域の平野、あるいは点在するオアシスで、麦・豆類・オリーヴ・ナツメヤシなどを栽培する農業が営まれた。とくにティグリス川・ユーフラテス川、ナイル川など大河の流域では、定期的な定住がすすみ、高い文明が発達した。ティグリス川とユーフラテス川流域の、メソポタミアでは、前3000年ことかわ都市文明が栄えた。この地域にはアラビア半島や周辺の高原からセム語系やインド=ヨーロッパ語族の遊牧民の豊かな富を求めて移住し、複雑な歴史をくりひろげた。ナイル川のめぐみをうける豊かなエジプトは、一時は異民族の侵入があったが、メソポタミアとことなり砂漠と海にかこまれているため、エジプト語系の人びとが長期にわたって高度な文明を営んだ。また両地方を結ぶ交通路にあたっていたシリア・パレスチナ地方では、セム語系の人々が地中海の交易に活躍した。オリエント社会では、大河を利用した治水・灌漑のために、はやくから宗教の権威によって統治する強力な神権政治がおこなわれ、神としての王の権力や信仰の生活のありさまを表現する独自の文化が生みだされた。

(詳説世界史より抜粋)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

1古代オリエント世界

オリエント世界の風土と人びと

シュメール人の都市国家

メソポタミアの統一と小アジア

エジプトの統一国家

東地中海世界

古代オリエントの統一

パルティアとササン朝

イラン文明の特徴

について後述します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

第1章では、オリエントおよび地中海周辺地域の古代文明をとりあげる。古代文明のうちもっともはやく成立したオリエント文明では、インダス文明や中国文明と同じく、大河の治水・灌漑にもとづく神権政治がおこなわれ、その政治形態は一部、後世のイスラーム世界にも引きつがれた。文化的にはエジプトの太陽暦、メソポタミアの十六進法、フェニキアの表音文字などがヨーロッパに伝えられ、パレスチナに誕生した一神教はのちにキリスト教をうみだした。またオリエント文明の影響をうけて東地中海沿岸に誕生したエーゲ文明では、いくつかの王権が小王国を支配していた。エーゲ文明崩壊後に出現したギリシア文明は、ポリスという独特の社会のしくみからうまれた。ポリス社会は、奴隷制がその経済的基盤ではあったが、専制王権がなく、独立した自由な市民たちの共同体であった。そこでは上からの命令ではなく、対等な議論による説得が人々を行動に向かわせた。ここから直接民主制が発生した。市民の自治に根ざしたポリス社会は、古代地中海世界の基礎となる都市生活の原型となり、また人間中心的で合理主義的な精神文化をうみだした。ギリシアの影響をうけてイタリアに誕生した都市国家の一つローマは、強大な軍事力を背景にやがて地中海周辺全域を統一した。ローマ帝国は以前からあったさまざまな文化・文明・民族を、地中海世界という一つのまとまりの中に統合・吸収し、年を中心にギリシア文化を継承発展させて植えつけた。「ローマの平和」のもとで繁栄したローマ文明は、その後のヨーロッパ文明の特設の母体である。一方、ローマ帝国に急速にひろがったキリスト教は、ギリシア文化とともにヨーロッパ思想の重大な源流となった。

(詳説世界史より抜粋)

| | コメント (0) | トラックバック (0)